雪の小樽運河
2020.02.22〜
 
雪の小樽運河-1
みしま基光さんの写真集「小樽運河」を思いだし持ち出し眺めていると、まだ一部埋め立てられ整備されて現在の姿になる以前の小樽運河の冬景色が載っていて無性に絵にしたくなって描いてみた。
 写真集は1975〜79年に撮影されたもので、当時運河を埋め立てし6車線の道路にする計画があり「小樽運河を守る会」が設立され議論されていたころの風景だ。
 
雪の小樽運河-2
みしまさんが撮影した当時、運河の埋立と倉庫群の解体を伴う臨港線全路線を6車線道路に拡幅整備する都市計画決定されていて、この計画は運河の埋立と倉庫群の解体を伴うため周辺の歴史的建造物を含めて保存に向けての市民運動が起こっていたころだ。
そんな中で撮影したみしま基光さんは「撮影ノート」の中で次のようなことを書いている。
「小樽運河は大正3年(1914年)から9年がかりで当時の最高水準を駆使して造られたもので、現存するのは小樽港第一埠頭から第3埠頭の裏手に南北を弓なりに走る、長さ1,142m、幅40mの水路です。現在はその機能を十分に果たしていませんが、この運河周辺には石造倉庫群や旧銀行街の石造建築物が立ち並び、かっての商都小樽の栄光と繁栄を今の世に伝えています。日本近代史を象徴する歴史的景観として高く評価される小樽運河と製造建築物は、訪れる人々のに北海道開拓時の歴史的ロマンを呼び起こし、明治をしのばせ、深い印象を与えてきました。小樽の中で最も小樽を語り語りかけえてくれる所、それが運河と周辺の歴史的景観なのです。・・・・」と。
 
雪の小樽運河-3
の間、運河の中の船は雪をかぶり静かに休んでいる。当時の運河の幅は40m、周辺の建物には石炭ストーブの煙突があり、道には電信柱がならんでいる懐かしい北国の風景だ。この運河の幅を半分を埋立てて道路とし、残りをポケットパークや散策路を整備した現在の姿になっている。
 
雪の小樽運河-4
写真集をみていると雪が降ったあとのし〜んとした何ともいえなに静けさが伝わってくる。そんな静けさを絵にしたかったのだが・・・。
 
雪の小樽運河-5
こんな感じの風景は今の残っているような気がするが・・・?
この絵は小さな紙に美工筆(万年筆の一種)で描いてみたのだが雪景色にはどうもあわないようだ。
 
雪の小樽運河-6
小樽はまだまだ雪の中なのだろうが、写真集には長い冬の季節が終わりやっと若芽が出た時期と思われる写真があったので最後に描いてみた。
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