明日香 秋-2 
2021.10.23
 
1.上居から西の方を
 10月13日に悠彩会展が終わり少しのんびりするとまた明日香に行きたくなって出かけた。稲穂は刈られているだろうとあきらめていたが駅から石舞台までのバスからみると少し残っているところもある。まずは石舞台そばの上居に上って描こうと思い最初に描いたのがこの絵。稲穂は一部を除き刈られていたが絵の都合もあって黄色く塗ることにした。
 
2. 上居(じょうご)から稲渕・阪田の方を
2枚目は上居から棚田が連なっている稲渕・阪田の方を描いてみた。ふと、思い出して安野光雅さんの画集『明日香村』を開いてみると、『棚田』というタイトルで同じアングルを描いておられ、その添え書きに次のように書いておられる。
5 棚田: 明日香村は全域が、「明日香村特別措置法」という法によって守られているため、古いもが壊されずに残っている。風景写生のモチーフとしては、日本でも最高にいいところだと思う。 この絵は、明日香村上居から見た風景で、なだらかな丘が入り組んで、幾重にも重なっている地帯である。とにかく棚田が美しい。その斜面に等高線を描くように無数の稲田が造成されている。  ここに立って、はるか昔のことを思う。 これらの棚田は誰がつくったのだろう。土地を拓き、うねをつくり、水を引く。しかも田の水はたたえられていなくてはならず、漏るようなことがあっては田の役目をなさない。 つまり、これらの棚田は遠い先祖が代々にわたって、子孫のために築いたもので、一代では元をとることはできない。もはやつくった人の名前もわからないほどの文化遺産なのである。 わたしの祖先も百姓だからいうのだが、この遺産、すなわち米は本当に大切にしないといけないと思う。
 
 
3. 上居から阪田方面を
 ほぼ同じところから阪田の方を描いてみた。正面下の方に丸っぽい小さな木々が幾つか見えるところが都塚古墳。先日阪田に来てスケッチしたところがこの絵の左手の木々の下から。ここから見ると棚田が連なっている様子がわかるだけだが上から見ると、安野さんが書いておられるように地形に沿ってある棚田はなんとも美しい。
 
4. 細川近くから
上居で描いたあとこの絵の右端の道を降りて155号線のところにでて、畑から久しぶりにお気に入りのスケッチポイントを描いてみた。ここは4、5回は描いているがなぜかいつもワクワクしながら描いている。
 作品リストへ 次へ