醒井(さめがい) 滋賀県米原市
08.08.11

どこに行こうか迷う。なんとも暑いし、涼しい感じのところに行きたい。
1996年発行の「関西小さな町・小さな旅」という雑誌の見ていたら、「清水の湧く、中山道沿いの町」として醒井(さめがい)が紹介されている。鄙びた町で何となく涼しそうなので行ってみることにした。
新大阪7:08発の新快速に乗る。お盆休みとあって駅はごった返している。通勤電車の新快速はすいているかなと思って乗ると満員、京都でもほとんど降りず、ついに米原まで80分立ちっぱなしだった。また米原から乗り継ぎの大垣行きの普通電車も満員。
米原の次の駅が醒ヶ井だ。ガイドブックを頼りに旧中山道を歩くと地蔵川と呼ばれる川沿いに結構観光客が来ている。カメラが趣味の人が多く、川の中を撮影している。「梅花藻」とよばれる梅の花に似た花を咲かせる藻の撮影のようだ。
この川の湧き水は昨年日本百名水に選ばれたそうで、それも人気の秘密のようだ。僕の読んだガイドブックのイメージでは誰もいない町だと思ったが観光客が結構来ている町なのだ。10年の間に観光地になったところかも知れない。
上の絵は地蔵川沿いの桜の木陰に座って描いたもの。手前は醤油屋、その左側も古い民家のようだ。通りがかりの地元の人によると外観は昔と違うとのことだ。左手が地蔵川だ。

最初に地蔵川の湧水のでる加茂神社の高台から街並みを見たときは日陰があったが、1枚目を描き終えた後にはもう日陰がない。あきらめてぶらつくがさほど古い家並が残っているわけでもないのでスケッチポイントに苦労する。ふと街道から国道の方を見ると古ぼけた蔵があり何となく魅力的な畑に通じる路地があったので描いたのがこの絵。

路地を描いたあと地蔵川の橋のところで売っていたスイカを食べる。地蔵川で冷やしているもので、食べると元気が出た。
ほとんどのカメラマンはこの川にだけ魅力を感じているようにたくさんの人がカメラを向けている。
よし!負けずに描いてみようかと思い立って描いたのがこの絵。こういう場所を描くのは初体験で、どう描けばよいかわからないまま描いてみた。

駅前の「水の宿」で食事を食べようと思い引き返すと、橋のところになかなか面白い八百屋らしきものがある。
ご覧のように茅葺にトタンを貼った屋根、右手のパラソルは橋の欄干に結び付けてある。道路も橋も占拠して果物や野菜や花を並べてある。店の中はスーパーのような何時になっている。この町では唯一の賑やかなお店だ。そんなことで1枚記録として描いておくことにした。

八百屋を描いたあと駅の傍の水の宿駅で食事をすることにした。スケッチしていたとき声をかけて来られた方と一緒になり雑談しながらの昼食。その方は名古屋から18キップを使ってカメラ片手に65歳定年後1年経過の方。
遅い昼食になったので移動はあきらめてガイドマップを眺めると「のんびりと里山の風景を楽しんでね!」と書いてある。そんなことでマップを頼りに来たのがここ。特に珍しい風景でもないが日陰を探してとにかく描くことにした。よく見るともう稲穂がたわんでいても、少ししたら稲刈りが始まるんじゃないかと思われるくらいの状態にある。
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