九鬼(三重県尾鷲市)
06.08.31mie01


手の奥の方に見えるのが九鬼の集落です。
この絵は九鬼の駅を降りて右手の船の乗り場のところから描いたもの。
実はこの絵は最後に列車の時間待ちに描いたものだが、九鬼へのアプローチとしてはここからスタート方が良かろうと思って最初に載せることにした。
右手の海沿いの道を歩いて15分くらいで九鬼の集落につく。かっては3000人を超える人が住んでいたが今では700人を切ったそうだ。小学校と中学校があるが、いずれも6,7人程度とか。
九鬼は九鬼水軍発祥の地とのことだ。集落の中にある真厳寺のお坊さんの話によると、源氏、平家の落人達が住んだのが始まりと言っておられた。


松阪6:51発、多気で乗り換えて九鬼についたのは9:17分。ボタンで開くワンマンカー、駅は無人駅だ。
駅前に「弁当あります」という看板がある。小学校も中学校も町の中にはあるので他に1軒くらいあるだろうと思って、弁当を買うのはやめて歩いていく。町の手前の風景も実に良いが、帰り道にスケッチしようと思い、町の中心まで行く。
八百屋のようなところがあったので弁当はあるかとたずねたら、パンかカップヌードル類ならあるが弁当・おにぎり類はない。弁当や喫茶店はあの駅前の1軒、八百屋のようなところもここだけとのこと。
そのお店で町が見下ろせる場所を尋ねると真厳寺のところがいいと教えてもらって行く。曲がりくねった路地を登っていく。路地もなかなかいいがとにかく町全体を眺めてみたいと思いお寺まで急いで行く。
この絵はそのお寺の階段のところから描いたものだ。崖地にへばりついたように建っている家並みは美しい。
お坊さんが草刈をしておられたので挨拶、町の由来やお寺の話を聞いた後スケッチ。
12時になるとお寺の鐘がなる。絵を描きながらお寺の鐘を聞くのも気持ちよいものだ。

お寺から俯瞰した絵を描いた後、路地を通りながら町の中に降りてくる。朝たずねた八百屋さんでパンとジュースを買って店先で食べる。
その後、この町の特徴ともいえる階段を描くことにした。しかし、絵にしようとすると、結構難しい。結局小学校近くのこの絵の路地上の階段を描くことにした。
右手の階段のそばを流れる小川のところには神棚(?)が置いてある。
人口が減っているところなので当然ながら老人が多い。見ているとこんな階段の上り下りするするのも結構大変のようだ。

4時12分発の列車で大阪まで帰る予定だ。お寺からの俯瞰に結構時間を食ったのでもう1枚描くのはあきらめて、海沿いの道の一皮裏側の生活道路をぶらついたあと、来るときに良いなあと思った中学校近くの風景を描くことにした。
赤色のトタン張りの建物が何とも気に入った。実はお寺から描いているとこの赤色のペンキを使っている建物がある。この町のカラーなんだと気付いた。風景を意識してこの色にしたのではないだろうが、巧まずして良い風景になっている。また、なぜか田舎の電信柱は素朴で情がある。
描いていると途中で雨が降りはじめ駅の近くのこの町でたった1軒の弁当屋+喫茶店に入って休んだ。店のおやじさんの話によると、小学校も中学校も6,7名しかいない。も少ししたら中学校は廃校になるかもしれないが、テニスが強いの今のところ存続するのではないかと、なんだか筋の通らない話をしておられた。
雨もあがったので最後に描いたのが最初に載せた絵。
5時間半かかって天王寺に着いたのが21時43分だった。

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