イスタンブール スケッチブック
 

テレビで沢木耕太郎原作の「深夜特急」を見ていたら無性にイスタンブールに行きたくなった。誰彼となく誘う。やっとスペイン旅行で味をしめたKさんが乗ってきた。イスタンブールはひまを持て余した髭男たちが街中に沢山いる。アジアサイドのユスキュダラで描いていたら後ろは黒山の人だかり。最初はやや落着かなかったけれど、こんなに沢山の人に囲まれて描くことは今後ないだろう、という気になって楽しく描いた。オリエント急行終着駅の近くのバーに入ったら昼間から沢山の男たちが「ラク」という白濁の酒を飲んでいる。椅子に座ったとたん「ペインター!」と声がかかる。話しを聞いてみると、どうもブルーモスクで描いていた僕の姿を見ていたらしい。とにかくひまな男が多い。
アジアとヨーロッパの結節点といわれるだけあって面白い街だ。また、どうしてもジャミー(モスク)を描きたくなる街だ。(1998年)

 
ブルーモスク(F10)
 
ウスキュダラの船着場の傍のジャミ(F10)

ガラタ塔に登って、外側の回廊から描く(F10)090324

シルカシの近くの汚い居酒屋にて。2人が店に入ったとたんに「ペインター」という。どうもアヤソフィアでスケッチしていたの見ていたらしい。閑な男たちが多い
 

道路にテントをかけ朝市を開いている。スケッチしていると店員がノコノコ歩いてきて覗き込む(F10)
  旧市街地の住宅地。道路を利用した物干しを描く(F10)

マイフレンド!」とか言って握手しにくる。ラク(フランスではパスティス、ギリシャではウゾー)という水を入れると白濁する酒は癖になる酒だ。
 旧市街全景(F10)
イスタンブール1都市で7日間いてスケッチした。
移動しないで1都市で描くのが、まちを知り、ゆとりがあってスケッチには最適である。ついつい欲を出して色んなところに行きたくなるが、
スケッチの場合はたくさんの国を回らず、ひとつの国だけにするほうが良い。
まちの空気と言うか、雰囲気、かっこよく言えば、その国の文化を感じて描いた方が良い。また、まちの人たちとも親しくなる。