広島と宮島
08.09.01
●世界平和記念聖堂(広島市中区幟町)
先に急ぐことにします。鴨川の風景は「日本の風景」でご覧下さい。
原爆ドームや錦帯橋を描いておきたいと思い立ち出かけた。朝早く新幹線で広島まで行き最初に描いたのがこの建物だ。
広島は原爆の地、毎年8月6日、テレビで映し出される原爆ドームについては多くの方が知っておられる。広島にはもう一つ、平和の祈りを込めた名建築がある。これは「カトリック幟町教会」という名前よりも「世界平和記念聖堂」として知られているものだ。設計は村野藤吾。1950年8月6日に着工され1954年8月6日に完成した。
以前来たときもよいなあと思ったが、改めて感動する建物だ。
原爆ドームの軸線上にある丹下健三の平和記念資料館と比べると、この建物の方がはるかに好きだ。
実はこの建物もコンペだった。色々のいきさつで2等が丹下健三で1等は該当者なし、。そのコンペの審査員の一人が村野藤吾だったといういわくつきの建物だ。もう1枚駐車場側から描いたので下に載せておく。


●世界平和記念聖堂

●原爆ドーム
世界平和記念聖堂を描いたあと、八丁堀を通り、歩いて原爆ドームのところまで行く。原爆慰霊碑、平和記念資料館のある平和記念公園は原爆ドームの向い側、太田川と元安川に囲まれた中島町にある。
丹下健三の設計したこの平和記念公園は資料館、慰霊碑、原爆ドームが軸線上に並ぶように設計されている。そのことを意識してその軸線上に座って描くことにした。
こういうところで描いていると、いろんなことが思い浮かび、少し重い気分になるものでふと、鉛筆が止まったりする。
記念聖堂でもらったパンフに、パウロ二世のこんな言葉が載っていた。
戦争は人間のしわざです。
戦争は人間の生命を破壊します。
戦争は死です。
この絵を描いた後、もう1枚描いたがまったくの失敗作で途中でやめる。その後、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館という2002年に開館した建物をみたあと路面電車で宮島口まで行く。

宮島 滝小路
原爆ドームの前から路面電車に乗って宮島口まで行く。当初は料金システムがわからなかったが市内なら均一料金の150円、宮島口までが一番高くて270円、なんとも安い。しかも路面電車優先のシステムになっているようでスピードもあり、街の風景も見れる。自動車優先のシステムが横行しているがぼちぼち路面電車を見直すべきだと思ってしまう。宮島口から船に乗り宮島へ。腹がへったので、表参道商店街でかき飯を食べて裏通りをぶらつく。この絵は宮島で一番古い町といわれるところだ。宮島饅頭の製造販売店の前に天蓋がかかっていて遠くにお寺が見える。けっこう構図が気に入って描いたものだ。

厳島神社
宮島に来て厳島神社を描かないで帰ったら、アホじゃないの言われそうなので、1枚描くことにした。
この絵では海は潮が少し満ちていているように描いているが、実際には干潮時で、大鳥居のところまでたくさんの人が行っている。
神社の向こうに見えるのは千畳閣と五重塔だ。団体客が多く描いている傍が出口らしく、賑やかに通り過ぎていく。
描いた後、メインの通りの表参道の一つ裏側の通りなどをぶらついた。
小さな島で山沿いに家が密集しているので、道路も変化しているし、階段や坂道もあり、絵になりそうなところはいくらでもありそうだ。しかし、朝早く起きて出かけてきたこともあり、疲れ気味で絵を描くのはあきらめて、5時前に船に乗り岩国の兄貴の家に行った。
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